M&A・事業承継後のExit手段としてのIPO – IPO準備の流れ(前半)

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M&A・事業承継後のExit手段としてのIPO – IPO準備の流れ(前半)

 前回のコラム(M&A・事業承継後のExit手段としてのIPO)で、M&A・事業承継後のExit手段としてのIPOの可能性と最近のIPOの動向について見てきました。今回は、M&A・事業承継後のExit手段としてのIPOの中でも、まずIPO準備の流れと情報収集方法について見て行きたいと思います。

 

IPO準備の流れ

【IPO準備の概観】

 IPOの準備には少なくとも2年~3年ほどかかり、長期のプロジェクトとなります。さらに言うと、2~3年でIPOが行えるケースは相当まれで、4~5年程度かかってようやく上場というケースが多いのではないでしょうか。もちろんIPO準備を完璧に実施しても、上場に中々たどりつけない企業も多くあります。

 そのため、IPO準備は会社の長期ビジョンの中で計画的に実施していく必要がありますし、IPOを目指す会社にとっても、IPOを始める前にIPOの全体感をつかんでおくことが重要となってきます。

 そこでまず、IPOのプロジェクト全体を時系列でまとめると次のようになります。

このスケジュールはあくまでも一例であり、これよりも長くなる場合もありますし、反対に最短2年弱で上場を達成する会社もあります。

【情報収集】

何事も初めて行う際は「情報収集」を最初に行う必要があります。「いつ頃から準備を始めればよいのか」、「何を準備すればよいのか」、「誰に相談すればよいのか」といった、新規上場準備に必要な事項の全体感をまずは把握するために、下記流れに沿って情報を収集すると効率的です。
① ネットで情報収集
② 書籍で情報収集 – 最初に読むのはコレ! 
③ 新規上場ガイドブック
④ 他社の上場開示資料(一の部)
⑤ 外部専門家

 

① ネットで情報収集
まずは、ネットで基礎知識を収集します。ネットで「新規上場準備」と検索すれば山ほどのページがヒットしますが、手っ取り早く新規上場準備の流れを把握するためには、4大監査法人(EY、Deloitte、KPMG、PwC)やコンサルティング会社の解説ページが平易でわかりやすいでしょう。

 

② 書籍で情報収集 – 最初に読むのはコレ!
なんとなく基礎知識が得られたら、書籍でより全体感を把握しましょう。書店に行けば多くの書籍がありますが、①平易な本、②実務を網羅した本、③辞書的な本、をまずはそろえておけばよいでしょう。

平易な本であれば、Amazonなどで評価の高い本を探して見つけるのもいいですし、実務的に網羅した本であれば、例えば、「これですべてがわかるIPOの実務〈第3版〉」などは、「上級IPO実務士」「上級内部統制実務士」の公式テキストにもなっており、間違いがないと思います。

また、辞書的な本としては、「株式上場ハンドブック(第6版)」(有限責任監査法人トーマツIPO支援室)などもあり、必ずしも通読は必要ありませんが、困ったときに調べる際に適宜使用することとなります。

    

これらの本に関しては、IPOを目指される経営者なら①の平易な本は最低限読んでおくことがいいかと思いますが、②実務を網羅した本や③の辞書的な本に関しては、IPOを目指す会社のIPO担当者が読んでおくべき本となってくるでしょう。

 

③ 新規上場ガイドブック
IPOにあたり必要な書類や手続きについては、書籍を参考にすることはもちろんですが、最終的には各市場で発行されている「新規上場ガイドブック」等を確認する必要があります。
東証ではHP(http://www.jpx.co.jp/equities/listing-on-tse/new/guide/index.html)にて新規上場ガイドブックおよび提出書類フォーマットが開示されており、IPO準備にあたっては早めに確認しておく必要があります。

    

④他社の上場開示資料(Iの部)
上場の際に提出される主要なとしてIの部とIIの部があり、I部のみが外部に開示されます。Iの部にいて競合他社等がどのような書きぶりをしているかについて、参考にすることとができます。
東証では「新規上場会社情報」のページに一覧としてまとめてあります。(http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/

 

⑤ 外部専門家
最後に、実務上最も有益な情報を提供してくれるのが外部専門家になります。
書籍には書いていないような実務上の論点やその会社の実情にあったアドバイスについて、やはり、外部専門家に聞くことが一番早く正確になります。
専門家からのアドバイスは、IPO準備の初期のみではなく、IPOが完了するまで継続的に得ることになります。
外部専門家の利用については別コラムにて詳しく解説しますが、ここでは主な外部専門家を列挙しておきます。

まとめ

IPO準備の流れのうち、全体の流れと、まずどのように情報収集していくかについて見てきました。これだけでも、膨大な量の作業や様々な専門家が関わってようやくIPO申請にたどり着くことができることがお分かりになるかと思います。

次回は「M&A・事業承継後のExit手段としてのIPO – IPO準備の流れ(後半)」で、IPO申請に至るまでの具体的な流れについても見て行きたいと思います。

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