エジプトの魅力 – 通貨安リスクに好転の兆し

エジプト投資

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エジプトにおける為替の問題について

 海外投資や海外の企業買収(M&A)を検討する上でかかせないことの一つに、為替の問題がある。特に、新興国においては、その国の信用を表すであろう通貨の価値というものは非常に重要である。

 例えば、1997年のアジア通貨危機、最近においてはアルゼンチン・トルコなどが通貨安に歯止めがかかっていない。中国においても元安を食い止めようと必死であるし、新興国においては、通貨安が諸外国からのキャピタルフライトを意味することから、非常に切迫した問題と言える。

 確かに、通貨安になると輸出産業においては非常に有利に働き、特に製造業などにおいては、価格競争力の観点からも、国の経済・将来性を考える上でも非常に重要なポイントの一つになる。しかし、それ以上に新興国においては、通貨安、キャピタルフライト、インフレと負の連鎖が止まらなくなる。

 

エジプトにおける通貨安リスクに好転の兆し

 この点、エジプトにおいてはどうであろうか。

 エジプトにおける通貨は「エジプトポンド」であるが、このエジプトポンドの動きについては非常に興味深い。

 以下のエジプトポンドの動きをご覧頂きたい。2016年11月に大幅に下落していることがおわかりだろう。1ドル8ポンドだったものが、1ドル19ポンドにまで下落している。

 これは、以前はドルペッグ制を引いていたものが、IMF主導により、2016年11月に変動相場制に移行していることによるものである。しかし、それ以降、緩やかに上昇しており、安定的な為替の動きをしている。

 

 そして、以下の3つの観点から、少なくとも今後数年間においては、エジプトポンドについては、通貨安に歯止めがかかり、ある程度安定的な為替の動きをするのではないかと思う。

【輸出の増加】

  ある程度通貨安が進んだ場合、輸出産業に有利に働き、輸出産業が伸びるため、ある一定の水準で通貨安に歯止めがかかる。この点、エジプトにおいても、2016年における為替の大幅下落以降は、輸出産業の盛り返しが見て取れる。今後数年間においては、輸出産業が経済成長を牽引するのではなかろうかと思う。

 

【外貨準備高】

 その国の経済の安定性を示す上で非常に重要な指標の一つが、外貨準備高である。未だに日本の通貨「円」が世界的に信用され、安全通貨と言われているのも、この外貨準備高の多さに起因するものが多分にある。

 この点、エジプトの外貨準備高についても非常に興味深い動きをしている。確かに、2012年に最低ラインと言われる輸入額の3ヶ月分である150億ドルにまで落ち込んだものの、その後IMFの介入などの要因もあるが、力強い伸びを見せている。

 実際に、今現在の外貨準備高については、アラブの春以前を上回る400億ドルを超える水準にある。このことは、観光収入の増加や外資系企業のエジプトへの投資が徐々に活発化している証拠ではなかろうかと思う。

 

【財政赤字】

 財政赤字についても、経済基盤を考える上で重要な指標の一つである。

 エジプトにおいては、恒常的な財政赤字が続き、経済基盤の脆弱性に対する懸念材料としてあげらていたが、2017年では政府努力により財政赤字も縮小している。

 

 以上、「輸出の増加」、「財政赤字の縮小」、「外貨の確保」の点から通貨安に歯止めの傾向は強く表れており、エジプト投資やエジプトへの進出、またエジプト企業の買収(M&A)という観点からは、将来に対する通貨安のリス クについてはある程度軽減しているのではないだろうか。むしろ、エジプトポンドという観点からすると投資するのは、まさに今、という感じがしてならない。

 

まとめ

 3回に渡って「なぜ今エジプトに投資するのか」に対する答えとして、エジプトの魅力を掲載してきた。皆さんどうお感じだろうか。 

 個人的には、今まさに「絶好のタイミング」に思えて他ならない。

 (出典:エジプト中央銀行、IMF、JETRO )

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